他人の作曲をちゃっかり自作として発表する「盗作」はいわばよくある話。
ところが自分で作曲した作品に、他人の名前をつけて発表した珍しい人物が、実際に存在していたのです。
名前はフリッツ・クライスラーです。彼はなぜ、そのようなことをしたのでしょう。
ところが自分で作曲した作品に、他人の名前をつけて発表した珍しい人物が、実際に存在していたのです。
名前はフリッツ・クライスラーです。彼はなぜ、そのようなことをしたのでしょう。
19世紀の末、パリ音楽院を卒業すると、翌年わずか13歳でヴァイオリニストとしてデビューしたクライスラーは、ヴァイオリンの神様と呼ばれた名手でした。
ところが次第に演奏会で取り上げる曲に物足りなさを覚えるようになったのです。
それなら、いっそのこと自分で書いてやろう、と得意の技巧をふんだんに振るえる小品を次々と作曲しました。
しかし、音楽会では若輩ですから、自作を演奏するのでは相手にされません。
そこで、他人の作曲ということにして、演奏会で弾きました。
大家の名前を使えばバレてしまうので、一昔前の半ば忘れられた作曲家の名前を借りると、手も込んでいます。
ところが次第に演奏会で取り上げる曲に物足りなさを覚えるようになったのです。
それなら、いっそのこと自分で書いてやろう、と得意の技巧をふんだんに振るえる小品を次々と作曲しました。
しかし、音楽会では若輩ですから、自作を演奏するのでは相手にされません。
そこで、他人の作曲ということにして、演奏会で弾きました。
大家の名前を使えばバレてしまうので、一昔前の半ば忘れられた作曲家の名前を借りると、手も込んでいます。
まとめ
結局、60歳の誕生日に、追求されるままに真相を告白し、音楽会は上を下への大騒ぎとなりました。
名前の詐称を、何と40年余りも気付かなかったとは、どうやら批評家の耳もあまりあてにならなかったようです。