趣味でずっと小説を書いているものです。
ファンタジー・SFなど「私たちの暮らす世界とは暮らし方や文化、環境、常識の違った世界」を書く上でのちょっとしたコツなどを。
キャラクターから作る手順になっていますが、世界から固めてももちろんできます。
あなたの作る世界をより魅力的にできたらと思います。
ファンタジー・SFなど「私たちの暮らす世界とは暮らし方や文化、環境、常識の違った世界」を書く上でのちょっとしたコツなどを。
キャラクターから作る手順になっていますが、世界から固めてももちろんできます。
あなたの作る世界をより魅力的にできたらと思います。
手順
- ※以下ずっと私のやり方を書いています。参考までに。
まず出てくるキャラクターを決めます。主役・準主役・脇役など、この時点で決める範囲はお任せです。
絵がかける肩は幾つかイメージ画を描いてみるといいですね。この時、重要なので服の質感はしっかりと。
厚いか薄いか、色、材質、装飾品などです。 - そのキャラクターでどんな話が書きたいのかを大雑把に決めます。話の本筋、結末まで荒く決めてしまってください。
キャラクターを彩るエピソードはあとでいくらでも盛れますので。
敵・障害・ライバルとなるキャラクターはここである程度決定しておく必要がありそうです。
さて、次からが本番。 - 設定を詰めましょう。
まずはキャラクターを深めます。キャラクターが生まれてから小説時点までの経歴を考えてみましょう。
たとえば同じ王子でも
1.賢明だが気弱な王に大切に育てられた一人っ子の王子
2.城を抜け出して城下町で民と賭博をやる王に育てられた、父に呆れている王子
3.母を魔物に殺され、悲しみに沈む父の顔を見ながら育った王子
どれも性格、周囲に対する態度、喜怒哀楽の表情が変わってきますよね。
単に「ヒロイン役で気が強いけど笑顔のかわいい女の子」としか設定していなかった女の子はどんな過去を持っているでしょうか?平凡に幸せに育てられてきた?それとも何か悔しい思いをした過去があって気が強くなったのでしょうか。
歳をとったキャラクターは深めるにも幅がありますね。
若いころはどんな性格だったのでしょう。女性・男性にモテたでしょうか。 - ある程度キャラクターが固まったら次は環境ですね。
舞台となる国はどこでしょう。島国ですか?大陸の中の小さな国ですか?大きな国ですか?地下に追いやられた人々の国ですか?ファンタジー世界なら浮遊島ということもありますね。
その国で使われている言葉はどんな言葉でしょう。この世界の言葉ではドイツ語・フランス語・スペイン語…どれかに近いでしょうか?隣国や地方でも通じる言葉でしょうか。通じないとすれば、主人公が中央から離れる時には通訳を考えなくてはいけません。
そうそう移動手段も重要です。SFにしてもファンタジーの世界にしても、テレポーテーション的な移動手段があるなら銀行など重要な建物の中に入れないような仕組みを一応考えておくことが必要です。
馬車・徒歩・船などの一般的移動手段なら、その移動手段で横断にどれくらいかかる国なのかを考えておくと後で困りません。 - 大陸や移動手段が決まったら気候に行きます。
私たちの暮らす世界の気候を考えながら、どのあたりがどんな環境なのかを設定します。
たとえば砂漠は雨が降らないところでないとおかしいですから、地球でいう赤道の少し外にあたる地帯や広い大陸の中央で高い山に囲まれたあたりにないと違和感があります。
世界によっては気候を自在に操れる・気にしなくていい場合もあるでしょうからそういう場合はその方法・理由を考えておきましょう。
気候が決まると自然と適した服装、建物の姿(白塗りの壁、木の家など)育つ作物や家畜が決まります。
このあたりは高校の地理の授業が役立ったりします。
水稲はたくさん水がないと育ちませんし、小麦は逆に少し乾燥した地域の方が好きです。
どの作物も栽培限界温度がありますから、あまり寒い地域ではどうやって食物を手に入れているかの設定が必要です。
狩猟民族が住んでいるのでしょうか。
ここまでを踏まえて、キャラクターの服装が不適当だったと思えば修正します。 - 次は貿易です。
国内外でどんなものを取引しているでしょうか。
モノの流れが決まると自ずと世界がイキイキしてきます。
各国・地域の得意とするものはなんでしょう。
鍛冶の得意な地域、金属を輸出して食物を買いいれている地域など決めていくと各地域の色がはっきりしますね。
主要な町・国の名前はここで決めてしまいます。 - 次は割と大きいところです。
各国の宗教・民族はどうなっているでしょう。
たとえば主要キャラクターに神父・シスターの様な人がいたとして、彼や彼女の信仰する神はどんな存在でしょうか。キリスト教と十字架、イスラム教と月のように対応するシンボルがあるでしょうか。メジャーな宗教でしょうか。
迫害されている民族が世界に、舞台となる国にいるでしょうか。あるいはエルフやフェアリー、ドワーフのような人間以外の種族は住んでいるでしょうか。いるならば、人間たちとの関係はどうでしょう。
このあたりの設定があると、深みが増しますよ。 - 後は必要に応じて。いくらでも深めるところはあります。
たとえば教育制度、法律、政治、警察や消防のような組織、武器があるとすればその発達度、使われているお金や測量単位とそれが世界で統一されているか、音楽や文学といった文化の発達度合い、各国の権力者(王・皇帝・大統領他)とその家族と周囲の評価一般庶民の生活レベル、そもそもどのように暮らしているのか(食品の貯蔵、火の調達法、電話やテレビがあるのか、暦はどうなっているか)、学問的な研究はどのくらい進んでいるか、などなどなど…
日常の生活で「あの世界ではどうなっているだろう?」と考えてみるとどんどん設定が深まっていきますよ。
まとめ
設定が深い物語には魅力があります。
本当にこんな世界があるんじゃないかなと思わせてくれます。
できる限り設定を深めておけば説得力のある描写ができますし、必要なところで(あくまでも必要な時に出していきましょう)それを小出しにしていくことで読んでいる人によりその世界へ入り込んでもらえます。
実際小説の中でその設定を披露できないと無駄な気がするかもしれませんが、その設定があるという前提が全体に統一された説得力へつながるのです。
是非、凝ったあなただけの小説を書いてください。